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パレスチナ自治区ガザでは文房具やノートが手に入りにくく、戦闘開始前のものを使う生徒が多い。今後、文房具の在庫不足が問題になりそうだという=2025年3月1日、ガザ南部ハンユニス、ムハンマド・マンスール撮影

 パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意が、第1段階(6週間)の期限である3月1日を迎え、イスラエル軍のガザからの撤退などを盛り込んだ第2段階への移行や第1段階の延長の合意には達しなかった。双方の要求は対立し、停戦が維持されるか予断を許さない。朝日新聞のムハンマド・マンスール通信員が現地から報告する。

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 1日、ガザ南部ハンユニスの女子生徒向けの高校を訪れると、冷たく硬い床に薄い布を敷いて座った生徒たちが、教師の声に耳を傾けていた。

 2023年10月に始まったイスラエル軍とハマスの戦闘で閉鎖を余儀なくされた学校が再開した。ようやく「日常」らしい光景が戻ってきたように見える。

 もっとも「戻ってきた」と言うにはあまりに多くのことがかつてと違う。

 真剣なまなざしの子どもたちは変わらない。だが教室にあるのは黒板だけだ。机もいすもない。冬のガザは寒いときは気温10度まで冷え込む。

 この学校は戦闘期間中、自宅を追われた人たちの避難施設として使われた。1月19日に停戦が始まったときから、教師やスタッフたちが片付け、消毒をし、子どもたちが使えるように準備してきた。

 ただ、教育は「校舎」という…

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