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食肉や青果店、食堂などが入る市場となった日本家屋。トタン屋根に改造されているが、内部の柱はそのまま使われている=2025年5月20日、台北、林敏行撮影

 集合住宅が所狭しと立ち並ぶ台北の街中に、古びた瓦屋根の日本家屋が点在する。1945年までの50年間、日本が台湾を統治した名残だ。

 日本から渡った公務員や教職員らの個人宅や官舎として造られた。敗戦による引き揚げで空き家となり、国民党が接収。その多くは、中国大陸から渡った役人らが住んだ。

 市の調査では、2000年には約2千棟があった。一部は文化財になり改装されたが、多くは荒れるに任せる空き家となり、解体されている。

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5月12日に解体工事が始まった日本家屋。子どもの頃ここに住んだ台湾生まれの日本人「湾生」らが請願書を出したが、保存は実現しなかった=2025年5月20日、台北、林敏行撮影

 日本家屋の保存運動を率いる台湾・中央研究院の黄智慧氏(人類学)は、「建物が台湾の歴史を教えてくれる。一軒でも残さないといけない」

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