女子63キロ級準決勝でスロベニアのアンドレヤ・レシキ(右)と対戦するフランスのクラリス・アグベニェヌ=2024年7月30日、シャンドマルス・アリーナ、柴田悠貴撮影

 どうしても話を聞きたい、憧れの女性がいた。

 今年3月、合宿のために来日していた柔道女子63キロ級のフランス代表、クラリス・アグベニェヌ(31)は、東京・南麻布の在日フランス大使館のイベント後、彼女を引き留めた。

 「ママになってからも選手として活躍したあなたは先駆者で、とても尊敬しています」

 声を掛け、一緒に写真を撮ったのは、48キロ級で5大会連続で五輪のメダルを獲得した、柔道元日本代表の谷亮子さん(48)だった。

在日フランス大使館のイベント後、一緒に写真を撮ったクラリス・アグベニェヌ(左)と谷亮子さん=2024年3月、クラリス・アグベニェヌのインスタグラムから

出産後、「体が別人に」

 アグベニェヌは東京五輪で金メダルを獲得。2022年に長女のアテナさんを出産すると、「体が別人になった」と感じた。五輪連覇を目指していたが、柔道界で出産後にメダルを獲得した選手は少なく、不安を感じていた。

 谷さんも05年に長男の佳亮…

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