七回裏、小倉陽輝主将を中心にマウンドに集まる函館水産の選手たち=函館オーシャン、野田一郎撮影

(21日、第107回全国高校野球選手権南北海道大会函館地区1回戦 函館水産3―10七飯・大野農 7回コールド)

 序盤は函館水産の「勝ちパターン」だった。

 安打で出た1番打者の藤谷賢介選手(2年)を、波響選手(同)が犠打で手堅く送り、主軸の小倉陽輝主将(3年)がかえす。このパターンで先取点と2点目をもぎ取った。藤谷選手が「得点圏に進めればきっと打ってくれる」と言えば、小倉主将は「自分としては楽しんで、いままでずっとやってきたことを復習するようなバッティングができた」と応じた。

 昨秋は連合チームだったが、今春、1年生8人が加入。小倉主将は「1、2年生ががんばってくれて、どんどん良い試合ができるようになった」と振り返る。

 一方、七飯・大野農は機動力を生かした堅実な野球で逆転した。

 七回1死一、三塁、1点を与えればコールド負けを喫するピンチで、捕手の小倉主将を中心にマウンドに選手たちが集まった。伊藤義英監督の指示は「守りやすいようにやれ」。小倉主将が「次の打者で勝負しよう」と、申告敬遠による満塁策を決めた。

 しかし、継投した藤谷選手の投球が乱れ、球は小倉主将の背後のバックネットへと転がっていった。

 「1、2年生のプレッシャーは強かったはず。でもこの試合がいい経験になったと思う。秋からは副将の藤谷が引っ張ってくれる」と小倉主将。納得した表情で話した。

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