会見する三菱商事の中西勝也社長=2025年8月27日、東京都千代田区、井東礁撮影

 三菱商事は27日、千葉県と秋田県の沖合計3海域で計画する洋上風力発電事業から撤退すると発表した。中西勝也社長は会見で、建設コストが当初想定から2倍以上となり、採算が見込めなくなったと説明した。洋上風力は再生可能エネルギー拡大を急ぐ政府が「切り札」とする政策で、今後の導入計画にも影響する可能性がある。

 撤退するのは、秋田県能代市・三種町・男鹿市沖、秋田県由利本荘市沖、千葉県銚子市沖の3海域。政府が洋上風力の事業者を公募した第1弾で、三菱商事と中部電力の子会社などが組んだ企業連合が2021年にすべて落札していた。発電規模は合わせて約170万キロワットになり、28年以降に運転を始める計画だった。

 中西氏は会見で「3案件の取りやめは断腸の思いだ」と述べた。撤退の理由で強調したのは建設コストの増加だ。

落札時の「低価格」 見通しは甘くなかったのか

 公募時に提示した売電価格は…

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