連邦最高裁は1日、トランプ前米大統領が2020年の大統領選の結果を覆そうとしたとされる事件をめぐり、トランプ氏の大統領在任中の「刑事免責」を一部認める判断を示した。トランプ氏にとって「勝利」に近い内容と言えそうだ。
- 【速報】トランプ氏の「免責」、最高裁が部分的に認める 刑事裁判は長期化へ
大統領に刑事免責を認める初の司法判断は、9人の最高裁判事のうち6人の保守派による多数意見で決まりました。反対したリベラル派判事が示した懸念についても、記事の後半で紹介しています。
大統領選までに裁判が終わらないことがほぼ確実に
なにより大きいのは、トランプ氏が起訴された刑事裁判の進行を遅らせる「時間稼ぎ」に成功したことだ。免責を求めていたのは、トランプ氏が抱える四つの刑事事件のなかで最も重要とされる事件だ。その一部が免責されうるという司法判断が出たことで、公判準備にはさらに時間がかかり、11月の大統領選までに終わらないことがほぼ確実になった。
もし時間稼ぎが成功していなければ、11月の投票日を前にトランプ氏は連日法廷に立ち、2度目の有罪評決を受けていた可能性があった。トランプ氏にとっても政治的に痛手となったはずだ。
だが時間稼ぎは成功した。裁…