日大三―県岐阜商 二回表日大三2死二塁、松永の安打で本塁を狙う二塁走者の永野=滝沢美穂子撮影

(21日、第107回全国高校野球選手権大会準決勝 日大三4―2県岐阜商 延長十回タイブレーク)

 この日、初めて体験した甲子園のダイヤモンドの内側は「圧がすごかった」。日大三の背番号13、永野翔成(3年)は、左翼にまわった4番田中諒に代わり、一塁手のスタメンに選ばれた。

 初回の守りで、いきなり試練が訪れる。先頭打者のゴロを捕球した二塁手・桜井春輝の送球を後逸。県岐阜商の満員のアルプス席は、永野のミスに大いに沸いた。

 直後の攻撃で最初の打者に。自信満々で打席に向かったが、打席に立つと、球場全体の視線を浴びて「プレッシャーがやばい」。異変に気づいたベンチの「大丈夫だ。心を燃やせ」の声を受けながら、狙い球の直球を強振。痛烈なゴロで遊撃手の失策を誘った。

 四回に途中交代した。初めての甲子園の成績は、2打数無安打1失策1三振。それでも試合後の表情は晴れやかだった。「甲子園は緊張しないつもりでいても、絶対する。だからこそ、緊張する自分を楽しんでほしい」。後輩たちには、そう伝えるつもりだ。

 延長十回裏、最後に一塁を守った古関健人(3年)も甲子園で初めてのプレーだった。一塁手の経験は練習試合で3回ほど。左打者が引っ張った打球を前に落としながらも止め、ボールを拾ってベースを踏んだ。「楽しむとか、それどころじゃなかった」と、ほっとした表情で話した。

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