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8月19日(1957年) 上皇ご夫妻のテニスコートでの出会い

 上皇ご夫妻が初めて顔を合わせたのは、1957年の夏、長野・軽井沢のテニスコートだった。

 避暑に訪れた人たちの懇親のダブルストーナメント。準々決勝で、皇太子だった上皇さまと男子学生ペア、皇室に入る前の美智子さま(正田美智子さん。現・上皇后さま)と13歳の外国人少年ペアが対戦し、2時間に及ぶ熱戦の末、セットカウント2―1で、美智子さまペアが勝利した。

 観客は上皇さまペアの勝利を予想していたが、上皇さまが打ち込む球を美智子さまが粘り強く返した。「ああ正確に返ってくるんじゃかなわんよ。すごいね」。試合後、上皇さまは友人にそう漏らしたという。

写真・図版
テニスコート観覧席で皇太子さま(前列左から2人目。当時)と懇談する美智子さま=1958年8月、長野県軽井沢町

 その後、美智子さまが上皇さまの所属する東京・麻布のテニスクラブにも入会。お二人が顔を合わせる機会が増えていった。

 だが、民間から皇太子妃となる例はなく、正田家はいったんは結婚の打診を固辞した。

 「世間でよく言うように、男…

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