女性職員へのセクハラが認定された前町長の辞職に伴う岐阜県岐南町長選が9日、告示された。いずれも無所属新顔で、前町議の後藤友紀氏(47)と元町総務部長の朝倉修一氏(62)=自民党県連推薦=が立候補した。投開票日は14日。8日時点の選挙人名簿登録者数は2万1032人。
後藤氏は2016年の町議補選で初当選。3期目の途中で辞職して立候補した。当選すれば町で初めての女性町長となる。政策実現の一部とするため、町長の退職金をなくすほか、医療費無償化を高校生まで拡大するなどの政策を掲げる。
朝倉氏は議会事務局長などを歴任し、3月まで町図書館長だった。選挙対策本部長には自民県議が就いた。長年の行政経験や人脈を生かして、働きやすい職場作りをめざすほか、ハラスメント防止条例の制定にも取り組むという。
同日告示された町議補選(被選挙数2)はいずれも無所属で、新顔の広瀬恵理子氏(40)と元職の加藤雅浩氏(45)が立候補し無投票で当選した。(保坂知晃、寺西哲生)
後藤友紀氏「町が変わるには今しかない」
政治はいまだ男性中心だ。町議10人のうち女性は2人だった。私が8年前に町議に初当選してから女性議員は増えていない。女性は少数派で、みなさんの思いや私の伝えたいことが伝えきれない8年間だった。
前町長のハラスメントで町の信頼とイメージが失墜した。町が変わるには今しかない。女性の私が町長になって、令和の価値観に変えていく。家庭でお母さんが笑顔になったらどうなるか。子どももお父さんも、おばあさんもおじいさんもみんなが笑顔になる。そんな幸せな社会をみなさんとつくっていきたい。
朝倉修一氏「信頼を取り戻すのが第一歩」
役場で44年間の行政経験があり、多くの仲間を知っている。この経験を生かし、これからの行政を立て直したい。
岐南町は全国的にマイナスのイメージを与えてしまった。今は岐南町の町民からの信頼を取り戻すのが第一歩だ。
当選した際には、職員の心のケアを最優先にしながら、働きやすい職場、風通しの良い職場を目指す。それがおのずと町民サービスにつながると思っている。セクシュアルハラスメントに対する条例の制定なども考えながら、前向きに取り組んでいきたい。