地域移行のモデル事業で、休日に合同で兵庫県明石市剣道連盟の指導を受ける市立中学校剣道部員ら=2024年6月8日、同市の明石中央体育会館、大久保直樹撮影

 少子化や教員の働き方改革を背景に、公立中学校の部活動の運営や指導を地域が担う「地域移行」の取り組みが、兵庫県内でも進んでいる。地域や学校の実情はそれぞれ異なり、手探りの試みが続く。現場をのぞいた。

 明石市の明石中央体育会館に6月上旬、市内10校の剣道部員約150人が集まった。この日が初めての練習会だった。

 「お互いに競い合い、高め合ういい機会です」。指導を委託されている市剣道連盟の指導員が声を上げると、「はいっ!」と元気な返事が響き渡った。地元出身の県警警察官で、2015年の世界剣道選手権の男子個人戦で優勝した網代忠勝さん(43)の姿もあり、部員らは緊張した様子で、素振りや打ち込みに汗を流した。

 同連盟の平野武彦会長(82)は「よその学校や(普段と)違う先生と練習するのはいいことだと思う。大人になっても剣道を続けてほしい」と目を細めた。

 明石市では今年度から剣道部で、地域移行のモデル事業が始まった。同じ会場に全校の剣道部員が集まる「集合型」のほか、2校でそれぞれ週1回程度、連盟の指導員が各校を訪れる「派遣型」の2種類がある。今後は、ほかの部活動にも拡大する方針という。

平日に教えるのは顧問、休日は…

 市教育委員会事務局の小林秀…

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