北朝鮮南西部の南浦(ナムポ)港で25日、新型多目的駆逐艦「崔賢(チェヒョン)」(5千トン級)の進水式が行われた。朝鮮中央通信が伝えた。進水式に出席した金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記は、同艦が対空・対艦・対潜・対弾道ミサイル能力を備えていると説明した。複数の海上自衛隊幹部の話を交えて、この新型艦の実力や北朝鮮が公表した狙いを読み解く。
【連載】読み解く 世界の安保危機
ウクライナにとどまらず、パレスチナ情勢や台湾、北朝鮮、サイバー空間、地球規模の気候変動と世界各地で安全保障が揺れています。現場で何が起き、私たちの生活にどう影響するのか。のべ340人以上の国内外の識者へのインタビューを連載でお届けします。
海自幹部の一人は、公開された映像だけで詳細は判断できないとしつつ、軍事よりも政治的な効果を狙った演出だと考えているという。
この海自幹部によると、北朝鮮が公開した画像から、前部甲板に小口径64、後部甲板に小口径30と大口径20、計114のミサイル垂直発射装置が確認できる。艦橋上部にある多角形の構造物がレーダーやコンピューターを組み合わせたFCS(射撃統制システム)とみられるという。
海自幹部は「行動半径や作戦…