フィンランド発祥の軽スポーツ「モルック」。2チーム以上でプレーし、木製の棒を投げて12本のピンの倒れ方で点数が決まる。シンプルなルールで、激しい運動ではないので年齢、性別、障がいの有無に関係なく誰もが一緒に楽しめる。その世界大会が8月23~25日、欧州以外で初めて北海道函館市で開かれる。モルックを日本で広めた医師夫妻の情熱が、函館開催を実現させた。
6月16日、函館市のキャンプ場「函館市戸井ウォーターパーク」で、HTB北海道テレビ放送の人気番組「水曜どうでしょう(水どう)」のキャンプ企画「ここキャン北海道」が開かれていた。参加した約40人の水どうファンらの熱い視線を集めていたのがモルックだ。
「水曜どうでしょう」チーフディレクターも夢中
番組チーフディレクターの藤村忠寿さん率いるチームHTBと函館市役所チームが親善試合を行い、水どう出演者の俳優大泉洋さんの兄・大泉潤市長も参加した。
チームHTBは8月の世界大会に出場する。藤村さんがモルックに出会ったのは昨年5月。知人に誘われて日本モルック協会主催の全国大会の模範試合に参加し、「簡単だと思ったが、試合では緊張して全然うまくいかない。すぐに道具を買い、同僚とやりはじめたらハマった」。
モルックの魅力について、来年還暦を迎える藤村さんは「この年で始めても若者に勝てる。世界大会にも出られる。そんなスポーツはほかにない」と話す。
「日本に広めた」夫妻の情熱
日本でモルックを広め、函館への世界大会誘致を成功させた夫妻がいる。ともに函館五稜郭病院に勤める医師、八ツ賀(やつが)秀一さん(51)と千穂さん(49)だ。
秀一さんは久留米大学病院(福岡県久留米市)からフィンランドのヘルシンキ大学に留学していた2008年夏、研究室の同僚と公園に遊びに行き、初めてモルックに興じた。「夏の遊びの定番。バーベキューやビールを楽しみながら、『ゆる~く』やるのがフィンランド流です」
留学先の英国から遅れてフィ…