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電気自動車から医療機器への電源接続について説明する山家敏彦特任教授=2024年10月30日、神奈川県厚木市下荻野の神奈川工科大、中島秀憲撮影

 人工呼吸器や栄養注入ポンプなどの医療機器を使っている子どもにとって、災害時の停電は命に関わる。こうした電源をいかに確保するかをテーマにした研修会が10月30日、神奈川県厚木市の神奈川工科大学で開かれた。参加者は日ごろの不安や疑問、経験談を語り、電気自動車のバッテリー(蓄電池)を活用する方法も学んだ。

 医療的ケア児や家族を支える「かながわ医療的ケア児支援センター」の県央圏域相談窓口による主催。会場とリモートで約80人が参加し、県の担当職員らも出席した。

 脳性まひで全介助が必要な子どもを育てる母親は、「ポータブル電源の購入を検討しているが、安心安全に使用するにはどれを買ったらいいのかわからない」。

 別の母親は予備のたん吸引器と蓄電池を常にフル充電しているという。「電源のことを考えて眠れなくなることもある」

 横浜重症心身障害児グループ連絡会ぱざぱネットの渡邊聡美さんは、医療的ケアを必要とする三男が、電気を使う10種類の機器に囲まれて生活していることを紹介。各機器の利用可能時間を確認して複数の蓄電池を購入し、どの機器に使うかヘルパーにも分かるように紙に書いて壁に貼っていることなどを報告した。

 神奈川工科大の山家敏彦特任教授が、安全な電源確保の基礎知識について講義したうえで、電気自動車から電源をとって人工呼吸器などにつなぐ方法を実演した。

 主催した支援センターによると、医療機器への電源はコンセントからとることが原則とされているが、緊急時には自力確保が必要となるという。司会を務めた松井愛さんは「災害はいつ起きるか分からない。当事者だけでなく、広く知ってもらうことが、まずは大事」と話した。(中島秀憲)

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