熊本県山鹿市の夏を彩る「山鹿灯籠(とうろう)まつり」は2日目の16日夜、山鹿小学校グラウンドで呼び物の「千人灯籠踊り」があった。あかりをともした金灯籠(かなとうろう)が、ゆったりと舞う女性たちの頭上に揺れる。やぐらを幾重にも取り巻く列は、薄暗闇にうずのように浮かび、県内外からの見物客を魅了した。
「ぬしは山鹿の骨なし灯籠 よへほよへほ」と歌い出される、ゆったりとした「よへほ節」にのせて、そろいの浴衣をまとった約千人の女性たちが踊る。市外からの参加者は熊本市などで練習を重ね、8月初めには地元の人たちと全体練習で磨きをかけたという。
「小さな明かりが無数に集まると神々しくて」。山鹿市を舞台に作られ、今年公開された映画「骨なし灯籠」の中で、女性灯籠師が千人灯籠への思いを語る場面がある。「ああ、人は一人じゃ生きられないんだな、たくさんの人とつながって生かされてるんだな」と。
美しく幻想的なだけではない…