その場所に立ち、大地がもたらす変動のスケールの大きさ、不思議さを改めて実感した。
能登半島地震で、石川県珠洲市の若山川沿いに現れた「断層」。最大で2メートルほどの崖ができ、平らだったはずの水田が大きくたわんでいた。
この地面の変動は、4キロほどの範囲で連なっているという。人家に通じる小道も大きく上下にずれ、応急の補修が施されていた。さらに西へと進むと、水田に地溝のようなくぼ地ができ、水がたまっているところもある。道端のU字溝は立ち上がっていた。
ここは震源となったとみられる海底の活断層から、10キロ近く南に位置する。震源断層本体が地表に出たというよりも、副次的に生じたものらしい。それでも、思わぬ場所に出現した大きな崖に専門家の注目が集まった。
「かなり離れたところに現れた」。3月末にあった原子力規制委員会の会合でも、十数キロの位置に生じた別の地面のずれとともに重要な知見として取り上げられた。国内外の事例と合わせ、引き続き検討することになった。
成因は、まだはっきりしてい…