千葉県は10日、総額2兆1041億5千万円の2025年度一般会計当初予算案を発表した。3月に知事選を控えているため骨格予算にもかかわらず、当初予算ベースで過去5番目の規模で、前年度当初に匹敵する額となった。県税収入は、法人関係税などが増えて約1兆円に達する一方、歳出では給与改定などにより人件費が前年度当初比で約75億円の増額となった。

 10日の記者会見で予算編成の意図について問われた熊谷俊人知事は「骨格予算だが、防災・防犯は県民の関心が非常に高いので、いち早く措置をしなければと思い、計上した」とし、危機管理に注力した予算だと説明した。予算案は、23日開会予定の2月定例県議会に提出される。

 歳入では、柱となる県税に約9991億円を見込む。個人住民税の特別控除(定額減税)の影響を除くと、前年度当初比で約639億円の増額となる。

 このうち、法人2税は企業収益が増えて同約166億円増、個人県民税も賃金の改善などで同約179億円増を見込んだ。

 また、地方消費税は個人消費の伸びや商取引の増加により同約281億円の増額を見込んだ。

 歳出では、社会保障費が前年度当初比で約165億円増えた。高齢化が一層進み、障害福祉サービスの利用者も増えるためだ。

 人件費は、23年度から始まった2年ごとの定年引き上げのため25年度は退職手当を計上しないが、給与改定などで総額は前年度当初比で約75億円増えた。

 一方で、新型コロナ感染症に絡む中小企業への感染症対応特別資金の償還が進むことなどから、貸付金が同約374億円減るなどした。

 借金にあたる県債残高は2兆7433億円(県民1人あたり約44万9千円)で5年連続で減る見込み。

主な新規事業(一部新規も含む)は次の通り。

・住家被害認定調査や罹災(りさい)証明書発行を迅速化する「被災者支援システム」の市町村での導入を支援する事業8100万円▽視覚障害者向けの音声対応ハザードマップの導入など防災情報バリアフリー化事業950万円▽水道管路の耐震化促進のため耐震管の整備で国の補助に県独自の上乗せをする1億7300万円▽県の経済を牽引(けんいん)していくことが期待される成田空港周辺地域などで、今後成長が見込まれる産業分野の工場立地などで補助の上乗せなどをする10億3300万円

共有
Exit mobile version