南アフリカの下院総選挙(定数400、任期5年)は1日、開票が進み、与党「アフリカ民族会議」(ANC)が初めて過半数割れすることが確実になった。アパルトヘイト(人種隔離)政策を撤廃し、全人種が参加した歴史的な民主選挙の実現から30年。初代黒人大統領、マンデラ氏から政権を担ってきたANCの単独統治が終わる。焦点は連立の枠組みに移る。
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ヨハネスブルク市内に設けられた開票速報の会場では1日、ANC関係者らが厳しい表情でスクリーンを見つめていた。午後2時時点で99.19%の投票地区で開票が終了。ANCの得票率は5年前より約17ポイント低い40.24%(速報値)で、過半数割れが確定的になった。
「我々は不可能を可能にしてきた」。ラマポーザ大統領は、選挙戦の最終盤にヨハネスブルクで開いた最大規模の政治集会で支持者にこう呼びかけ、アパルトヘイト政策を撤廃させたマンデラ氏以降、ANCが築いてきた実績を強調した。
ANCのひとり負け、背景に新党「民族の槍」
だが、初の全人種参加による…