展示を企画した高知城歴史博物館学芸員の水松啓太さん=2025年3月25日午前11時24分、高知市追手筋2丁目、原篤司撮影

 南海トラフ地震をテーマに据えた企画展「高知の地震災害史」が、高知城歴史博物館(高知市)で開かれている。高知県内各地に残されていた古文書や絵、写真など約100点の資料が、高知が過去に何度も直面してきた被害を今に伝えている。

 展示の最初は、記録に残る最も古い南海トラフ地震である飛鳥時代の白鳳地震(684年)。日本書紀の写本には、大地震で諸国の役所や家屋が損壊し、多くの人や動物が死んだと書かれている。道後温泉(愛媛県)の湧出(ゆうしゅつ)が止まり、土佐国では約12平方キロにあたる田畑が海に沈んだという記述もある。

 この白鳳地震から約1300年の間に起きた南海トラフを震源とする巨大地震は11回。次の仁和地震は203年後の887(仁和3)年、その次に高知に被害をもたらしたとされる康和地震はさらに212年後の1099(承徳3)年と考えられ、おおむね100~200年の間隔で巨大地震が繰り返し襲来していたことが、記録から見いだせる。

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 11回の中で最大級の被害だったとされるのは、1707(宝永4)年に起きた宝永地震。この地震以降は記録が豊富に残っているという。

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