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公正取引委員会=東京都千代田区

 電気・ガス料金の高騰に伴う補助金事業で、経済産業省資源エネルギー庁から2022年、319億円分の事務局事業を受注した広告大手博報堂が、業務の7割を子会社などに繰り返し委託していたことが会計検査院の調査でわかった。検査院は「記録が残っていないため、経済的な合理性が分からない」とし、取引の不透明さを指摘した。

3重の下請け構造

 エネ庁は、電気やガス料金の高騰に対し、値引きをした小売業者などに補助金を出す事業などを実施している。検査院によると、博報堂は事務局業務を319億円で受け、227億円(71.2%)分を子会社の博報堂プロダクツなどに委託。プロダクツ社は186億円(81.7%)分を別会社に再委託し、さらに9億円分が複数の会社に再々委託されていた。検査院は3重の下請け構造と指摘した。

 50%超の業務を委託する場合は理由書を提出し、委託の相見積もりを取るなどの取り決めはあったが、博報堂からの理由書には具体的な記載がなかった。エネ庁も一連の委託を承認した記録を残していなかった。

 経産省の委託事業を巡っては、コロナ禍で中小企業を支援する「持続化給付金」の事務局業務を受注した一般社団法人が、大半を電通に丸投げしていたことが2020年、国会などで問題になった。経産省は委託事業を厳格化したが、今回の契約はその後に結ばれていた。

 検査院は「記録がないことで、委託が適切か検証できない。対外的にも説明できるように、委託事業の透明性を確保しないといけない」としている。博報堂は取材に「守秘義務に関することでお答えできない」と回答。エネ庁は「記録を残す仕組みがなかった。検査院の指摘を受けて改善したい」としている。(座小田英史)

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