迷子の小学生の男児を保護したとして、東海署は25日、愛知県立大府高校(大府市)の野球部員5人に感謝状を手渡した。チームで意識している「常に考えて動く」精神が生きたという。
6日午後5時ごろ、練習を終えて徒歩で帰宅中だった主将の大嶋元晴さん、祖父江一真さん、中山稜太さん、藤田統己(とうき)さん、宮地慧彰(さとあき)さん(いずれも2年)は、同校近くの国道で、小学校低学年くらいの男子児童が車道の真ん中を一人で駆けている姿を見つけた。
5人は一度児童を見失ったが、周りに保護者の姿が見えなかったことから心配になり、110番通報をしたうえで、自分たちでも手分けして捜索することにした。約5分後、祖父江さんがパチンコ店の立体駐車場の2階で児童を発見。興奮状態の児童を協力して見守り、無事に警察官に引き渡した。
「みんなで話して『危ないからもう一回探そう』と判断できたのがよかった」と5人は話した。八木智署長は「正義感をもって助けていただき、非常に心強い。野球でも頑張って」とたたえた。
チームの目標は17年ぶりの甲子園。大嶋さんは「夏の甲子園で校歌を歌うために、これまでずっとやってきた」と話す。3月1日からは対外試合が解禁となり、夏への挑戦が本格化する。「誰かに能力があるというチームではないけれど、最後まで泥臭く戦いたい」