医療機器メーカー「ニューベイシブジャパン」(東京都中央区)の営業担当者らが、大学病院などでの手術に立ち会い、資格を持たずにX線装置を操作していた問題で、福岡資麿厚労相は18日の閣議後会見で「無資格の方が行っていた場合は法令違反で刑事罰の対象」との認識を示し、「どういったことが行われていたのか、実態の把握に努めて参りたい」と話した。
- 手術中、無資格でX線照射 医療メーカー社員、営業目的で医師手伝う
問題は18日、朝日新聞の報道で発覚。放射線であるX線の照射は人体に影響を与える恐れがあり、操作は医師らに限ると診療放射線技師法で定められている。同社は取材に同法違反と認めている。
福岡厚労相は「個別の事案についてのコメントは差し控える」としつつ、「医療現場で医療機器が適切に使用されることは大変重要と考えている」「都道府県とも連携しながら必要に応じて情報収集を行うなど適切に連携を図っていきたい」と話した。
病院外部の人物が手術室内でX線を操作したことが判明するのは極めて異例。同社は取材に、営業担当者4人が2024年4~11月に、関東や関西の五つの医療機関で整形外科手術に立ち会い、X線装置を操作したと説明した。
朝日新聞は、同社の営業担当者たちが各地の手術室で作業する姿を写した複数の動画や写真を入手した。手術衣の上に放射線防護衣を着用した営業担当者が、手術で使う器具を袋から取り出したり、X線装置のボタンを押したりするシーンが映っていた。