広島、長崎の両方の原爆投下機に搭乗した米兵の孫と、両方で原爆に遭った「二重被爆者」の孫が出会い、友情を築いています。2人に折々の国際情勢に触れながら手紙を交わしてもらう企画の2往復目です。
- 【アリ・ビーザーさん自己紹介】祖父は広島と長崎、両方の投下機に搭乗
日米両国で重大な選挙がありましたね。結果は、核兵器のない世界に向けた闘いにも影響を及ぼすことでしょう。米国では多くの人々が大統領選で勝利したトランプ氏の返り咲きに不安を感じていますが、核兵器の行方に関しては希望を持ち続けています。
結局のところ、人々は善良であり、政治的に脅威が高まる時代には、善良な人々が必ず団結します。平和は可能であると人々が理解できるように、ぼくたちが共に努力し続けることが重要です。平和とは友人とだけ行うものではありません。意見の合わない人々と共に生き、それでもなお仲良くすることが平和なのです。
祖父が今日の状況をどう思うだろうかと、ぼくはしばしば考えます。彼は1992年の夏に亡くなりました。冷戦終結まもない当時は、世界が全く異なる方向に向かっていたに違いありません。祖父がこの30年ほどの変化を経験していたら、彼のメッセージは変わっていたでしょうか。そうは思いません。多くの人々にとって驚きかもしれませんが、彼は決して(原爆投下について)罪悪感を表さず、ただそれを二度と繰り返さないという決意だけを持っていました。
89年の日本メディアとのイ…