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2012年当時、中国浙江省で建設中の原発2基。04~23年で中国では49基の原発が運転を始めた

 中長期的なエネルギー政策の方向性を示す新しいエネルギー基本計画の素案で、経済産業省は原発回帰をいっそう強めた。世界でも米国主導で原発の設備容量を2050年までに3倍に増やそうという動きもある。でも、本当にそううまく進むのか。フランス在住のエネルギー・原子力政策コンサルタントのマイケル・シュナイダーさんに、世界の原子力産業の現状を解説してもらった。

 ――世界で原発利用が今後拡大する見込みなのでしょうか?

 原子力のトレンドを見るには、複数の視点を長期にわたって見すえることが重要だ。

1985~2023年の世界の原子力発電量。棒グラフ(目盛りは右側)が発電量で、赤い折れ線(目盛りは左側)は全電力に占める原発のシェア。発電量は東京電力福島第一原発事故後の12年に大きく落ち込んだ。原発のシェアは96年が17.5%で過去最大だったが、23年は9.15%まで落ち込んでいる©WNISR-Mycle Schneider Consulting

 世界の原発による発電量のピ…

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