参院選の最後の訴えをする参政党の集会で、拳を突き上げる支持者ら=2025年7月19日夜、東京都港区、藤原伸雄撮影

メディア空間考 田渕紫織

 自分にも向けられた言葉だと感じた。報道機関の一員として。

 参院選公示から2日後の大阪。駅前広場には大観衆。参政党の神谷宗幣代表は、党が掲げる「日本人ファースト」について、「否定するのは誰だ」と声を張り上げた。「私をボロクソに言い、どんどん発言を切り取っては流す人たちは誰だ? そういう人たちのせいで、日本がだめになってきたんじゃないんですか」。最後に「ふざけるな!」と叫ぶと、「そうだー」。聴衆の声はひときわ大きくなった。

 この選挙中、参政党が掲げる外国人の流入規制や医療保険制度の利用制限、外国人を問題視する発言について、朝日新聞を含む多数のメディアが反差別の観点から報じてきた。しかし、そうした報道を批判する主張に喝采が送られる現場を見て、考え込んでしまった。

 もしかして逆効果なのか。そ…

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