7月3日が想定される参院選の公示まで、1カ月を切った。衆院で少数与党となった石破茂政権への逆風が続くなか、これまで自民党や公明党が優勢だった九州・山口の選挙区にも危機感が漂う。各党幹部はすでに続々と応援に入り、訴えも熱を帯び始めている。
「今こそ、積極財政で税金を国民に戻していく。九州から、福岡から皆さん一緒にこの戦いに参加してください」。5月26日昼、福岡市のJR博多駅前。国民民主党の榛葉賀津也幹事長の演説に100人超の聴衆が耳を傾けていた。
福岡選挙区は、改選数が3になった2016年以降、自民党、公明党、立憲民主党(16年は民進党)の「指定席」となっている。この3党がそろって警戒するのが、昨秋の衆院選で公示前の4倍の28議席に躍進し、5月の朝日新聞の世論調査でも野党で最も高い支持率を維持する国民民主の存在だ。
記事の後半では、参院議長を務めた現職の尾辻秀久氏の後継をめぐり、自民党本部が擁立を決めた前職と尾辻氏の三女が争うという異例の選挙戦が展開されそうな鹿児島選挙区(改選数1)の構図も伝えます。
公明にも焦り「3議席目がうちと立憲の争い」
自民は、党参院幹事長の松山…