参院選の「一票の格差」をめぐって全国で一斉提訴し、会見する升永英俊弁護士(中央)ら=2025年7月22日午後、東京・霞が関、黒田早織撮影

 20日に投開票された参院選の選挙区で、最大3倍超の「一票の格差」があったのは、投票価値の平等に反して違憲だとして、弁護士グループが22日、選挙無効を求めて全国14の高裁・支部に一斉提訴した。

  • 始まりは1人だった 「一票の格差訴訟」半世紀の闘いが選挙を変えた

 総務省発表の当日有権者数(速報値)を元に計算すると、議員1人当たりの有権者数は、全国で最も少ない福井選挙区と比べ、最も多い神奈川選挙区で3.13倍だった。前回の参院選(2022年)の最大3.03倍からわずかに広がった形で、神奈川での1票の価値は「0.32票」だった。

 国会は15年、一票の格差が最大4.77倍だった参院選(13年)を最高裁が「違憲状態」と判断したことを受け、公職選挙法を改正。「島根と鳥取」「徳島と高知」を一つの選挙区にする合区の導入などで、格差は3倍ほどに縮まった。

 しかし、合区された地域では投票率が低下するなどの影響が生じ、それ以降は是正が進んでいない。

 提訴した升永英俊弁護士ら弁護団は会見で「都市部か地方かに関わらず、『1人1票』を実現できていない。区割りを全国的に見直し、有権者の声を正しく反映する選挙でなければならない」と話した。

最高裁は「喫緊の課題」と指摘

 訴訟の最大の注目は、格差の…

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