大統領就任前に米フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」で記者会見するトランプ氏=2025年1月7日、ニューヨーク・タイムズ

News Outlets Take Unusual Steps to Prepare for Onslaught From Trump

 全国紙の記者や編集者たちは、(メディアへの)情報リークをめぐって連邦当局が捜査に入ったり、召喚状[subpoenas]を発行したりする可能性に備え、取材源や自らを守るために、暗号化された通信手段[encrypted communications]をいっそう活用するようになっている。

 訴訟を起こす意向をすでに示している政府高官らが、名誉毀損(きそん)などの訴訟を相次いで起こした場合、その影響を吸収できる十分な保険に加入しているかどうか社内で精査しているメディアは複数ある。

 また、ある非営利の調査報道機関は、フリーランサーの活用にあたり労働規制を順守しているかといった問題について、政府が調査に入る可能性に備えている。

 トランプ氏がホワイトハウスに復帰することに伴い、大小を問わず報道機関は、新政権や政府内外のトランプ氏支持派から自分たちに対して法的および政治的な攻撃が集中する可能性を懸念し、そうした事態への対策を講じている。

 トランプ氏は10年近くにわたり、メディアを悪者扱いし、その正統性をおとしめようと試みてきた。記者たちを「国民の敵[the enemy of the people]」と罵倒し、繰り返し報道機関を提訴してきた。第1次政権では、ホワイトハウスの意に沿わないジャーナリストたちを(記者会見などの)イベントから締め出すことも時にあった。

米連邦捜査局(FBI)次期長官に指名されたカシュ・パテル氏は、トランプ新政権はメディア関係者を追い詰めるだろうと発言している=2024年12月12日、ニューヨーク・タイムズ

 しかし、第2次トランプ政権がメディアに対して、いっそう敵対的になる兆しが早くも見え始めている。例えば、トランプ氏が米連邦捜査局(FBI)の次期長官に指名したカシュ・パテル氏は、トランプ新政権は「メディア関係者を追い詰める」と大統領選前に語っていた。また、連邦通信委員会(FCC)の委員長に就任予定のブレンダン・カー氏は最近、保守派に対して偏見を持っていると見なしたテレビ局の連邦放送免許を取り消す可能性を示唆した。

  • 【注目記事を翻訳】連載「NYTから読み解く世界」

NYTをはじめワシントン・ポストやウォールストリート・ジャーナルなどの報道機関は、取材源や機密情報が暴露されるリスクを軽減する措置を講じるよう、記者に促しているそうです。

 トランプ氏は、誇張[hyp…

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