証券会社をかたったフィッシング詐欺とみられるメール。「異常ログイン」があったとして「セキュリティ設定の確認」を求め、偽サイトに誘導している

 証券口座が不正アクセスで乗っ取られ、株式が勝手に売買されている問題で、顧客への被害補償が進まない。損害額の何割を補償するかの方針が定まらないためで、証券各社は「2分の1」や「4分の1」と考えていたところ、金融庁から「全額」への見直しを要請されたとの受け止めが広がる。全額補償に対する証券界の反発は強く、調整は難航している。

 複数の関係者によると、証券各社は補償割合について一定の目安を申し合わせている。ポイントは、ウェブサイトにログインする際、IDやパスワードに加えて他の情報の入力も求める「多要素認証」などの不正アクセス防止策を顧客に提供していたかどうか。提供していた場合は証券会社の責任は比較的軽いとして損害額の4分の1補償にとどめ、提供していなかった場合は2分の1補償に引き上げるといった具合だ。ただ、顧客によって被害状況は異なるため、詳細は各社の判断に委ねているという。

金融庁に説明に行くと…

 これを受け、多くの証券会社…

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