福岡管区気象台は13日、火山活動が高まっていた鹿児島県屋久島町の口永良部島の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。「過去の噴火観測データがない古岳の付近で、活動が活発化している」として、動きを注視している。
口永良部島には新岳と古岳の二つの火口があり、それぞれの火口から約2キロの範囲で噴石と火砕流への警戒を呼びかけている。また2キロを超す向江浜地区から南の海岸にかけても、火砕流への警戒が必要としている。
同島では3月27日に噴火警戒レベルが2へ引き下げられていたが、4月に入ってから古岳周辺で火山性地震が増え、11日には振幅のやや大きな地震も起きた。また昨年6月から11月にかけて古岳の膨張が観測され、この膨張状態が今も維持されていることから、気象台ではレベル引き上げを判断した。
気象台によると、口永良部島では2015年に爆発的噴火が起き、全島民が避難をしたほか、それ以前も噴火が繰り返されている。だが有史以降の噴火場所はすべて新岳で、古岳の活動が活発化するのは観測開始以来で初めてだ。「記録が乏しく、動きを予測しづらい」と警戒している。(伊藤隆太郎)