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身ぶり手ぶりもまじえて、取材した店の魅力を「講義」する飯塚小の児童たち=2025年6月27日、福岡県飯塚市本町、岩田誠司撮影
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 小学生が地元の商店について調べ、講師として魅力を伝える「ゼミナール」が6月27日、福岡県飯塚市の本町商店街で開催された。その名も「飯塚商店街アピール大作戦」だ。

 店主らが専門分野の知識や技を伝える「まちゼミ」の一つ。飯塚小学校3年生約40人が、古くから愛された商店街に人通りが少なくなったことを惜しみ、活気を取り戻したいと、「総合的な学習の時間」に準備を進めてきた。数人ずつ12グループをつくり、それぞれが応援する店を決めて取材依頼の手紙を書いた。その後、店で話を聞き、見えてきた魅力を模造紙に新聞のようにまとめた。

 ゼミでは、各グループがその成果を掲げて講義。地元の住人や保護者ら約40人を前に、声をそろえて強調したり、身ぶり手ぶりを交えたりと工夫を凝らした。

 黒木萌未さん(9)のグループは、バルーンと花と雑貨の店「ローズベレー」を調査。時間をかけてかわいい雑貨を手作りしていることや、店員さんがいつも笑顔でいることなどを「アピールポイント」に挙げ、来店を呼びかけた。黒木さんはこの調査で初めて店を訪れたといい、「すてきな商品やお店がたくさんあることに気付きました」と話した。

 食品のセレクトショップ「わた惣」を調べた柴田康太郎さん(8)のグループは、明治時代から続く店の歴史に触れて「伝統の味をあじわって」とアピールした。柴田さんは何度か店を利用したこともあるといい、「かつおぶしがオススメです」と話した。

 取材を受けた商店主の一人で、ゼミを聴講した木村スイ子さん(78)は「熱心に取材してくれて、魅力的にアピールしてくれました。足を運んでくれる人が増えたらうれしいです」と笑顔だった。

 各グループの作品は一つのパンフレットにまとめて全校児童に配布し、商店街に足を運ぶよう呼びかける予定だという。

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