後半終了間際、タイムアップをアピールする鹿島の鬼木達監督=西岡臣撮影

 昨季まで8年間率いた古巣・川崎との対戦を終え、鹿島の鬼木監督は記者会見で言った。「変な感情のなかやるのではなく、目の前の相手を倒すことに集中できた」

 川崎サポーターからも拍手で迎えられた一戦。特別な思いがなかったわけではない。試合前には「意識的に川崎の試合は見ないようにしている」とも口にしていた。

 ただ、国内主要タイトルを計7度獲得した川崎時代から監督を知るMF知念は変化を感じていた。「川崎にいたころは、(プロ生活をはじめた)鹿島とやるときは週初めからピリピリしていて、『今週鹿島だから締めていけよ』と結構言っていた。今回はそういう雰囲気を出していなかった」

 目の前の試合に勝つことを強調してきた鹿島では、スタンスを変えないことが大事だと判断したのだろう。あくまで「6連戦で6連勝」と位置づけた。そうした試合との向きあい方、目標設定の立て方にマネジメントの機微を感じる。

 「いろんな思いはあるが、鹿島には優勝しに来ている。他に大きなもの(意味)を持たないことが大事なのかなと思う」。そう言い切ったところに「強さ」を感じる1勝だった。

 鈴木(鹿) 2アシスト。「これだけのビッグマッチは、他のチームも見ていると思う。『鹿島は今年強い』というメッセージになる」

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