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海自護衛艦の「さざなみ」=シンガポール、守真弓撮影

 海上自衛隊の護衛艦が台湾海峡を初めて通過し、日本の対中抑止戦略は新たな段階に入った。ただ、中国への強いメッセージと引き換えに、不測の事態を招くリスクも抱えることになる。

 海軍艦艇による台湾海峡通過は、米国を始め、英独などが実施していたが、日本は中国の近隣であるうえ、台湾を「核心的利益」と位置付ける中国の立場を尊重し自制してきた。しかし、最近の中国による日本周辺での軍事活動の活発化に、防衛省内では「中国になめられ続けてはダメだ。日本側も嫌がらせを考えてやり返す。台湾海峡を堂々と通ってしまえばいい」(幹部)との強硬論が強まっていた。

首相の決断

 複数の政府関係者によると…

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