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市民団体による開票速報会場で、リコールの不成立が決まり、残念そうな表情をみせる人々=2025年7月26日、台北、顔大惟撮影
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 台湾で26日、最大野党・国民党の立法委員(国会議員)24人に対する解職請求(リコール)の是非を問う住民投票が行われたが、いずれもリコールは成立しなかった。台湾の中央通信社が報じた。リコール運動に支持を表明してきた与党・民進党の頼清徳(ライチントー)総統の求心力低下を招く可能性がある。

 リコール投票は過去最多となる国民党の立法委員の計31人に対して行われることが決まっており、残りの7人に対する投票は8月23日に実施される。立法委員の解職が決まれば補欠選挙が行われ、民進党は6議席を獲得すれば立法院で過半数を得る。ただ、26日にリコールが一件も成立しなかったことで、実現は極めて困難になった。

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 昨年1月の選挙で民進党は立法院の議席数で少数に転落。立法院は国民党など野党勢力が主導し、政権に対する監督権限を強める法案を可決したり、行政院(内閣)が提案した防衛費を含む予算案を大幅に凍結・削減したりしてきた。この状況に懸念を抱いた多数の市民団体が今年2月以降、リコール運動を本格化させた。

 頼氏は6月の党大会で「民進党は市民と歩みをともにすべきだ」と語り、運動を支持する方針を打ち出した。前後には自らの政治理念を語る一連の演説も行い、幅広い人々に「反共(反中国共産党)」で団結することなどを呼びかけた。ただ、演説の中で「不純物を取り除かなくてはいけない」と語ったことなどが、異論を排除し分断を招きかねない発言として批判を受けた。

 最終的に議席逆転が実現しなければ、頼氏の姿勢が支持されなかったと見なされかねない。立法院でも野党の優勢が確定的となり、民進党はさらなる逆風にさらされることになる。

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