巨人の泉口(左)と広島の小園

 プロ野球のセ・リーグはシーズン終盤を迎え、首位打者争いが激しくなっている。打率トップを競うのは、25歳の広島・小園海斗と26歳の巨人・泉口友汰。小園は三塁や二塁も守るが、2人は遊撃を主戦場としてきた。遊撃手として首位打者を獲得すれば、セ・リーグでは史上2人目、セ・パでも史上5人目の快挙だ。

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 小園は11日の巨人戦、一回に右越え先制本塁打を放つなど5打数3安打で打率を3割3厘に伸ばし、4打数1安打だった泉口との差を広げた。

 開幕前、小園は「特定のタイトルや数字で掲げている目標はない。色んなタイトル争いに食い込んでいけるような活躍をしたい」と語っていた。

 苦手とされる春先も4月末まで打率3割以上をキープし、プロ7年目の成長を見せた。

 守りでは今季、三塁で60試合、遊撃で40試合、二塁で22試合に先発。8月6日以降は遊撃での先発が続く。三塁での出場が最も多く、厳密には「遊撃手で首位打者」と言い切れないが、複数ポジションを守りながら集中力を維持し、高打率を残している価値は大きい。

 後半戦が始まった直後、新井監督から「チーム状態が悪いけれど、引っ張ってくれよ」と声をかけられた。「期待に結果で応えられるようにしたい」との言葉を実行している。

 プロ2年目の泉口はオープン戦で打率1割8分2厘に終わり、開幕は2軍スタートだった。4月の1軍昇格後、「確率良くコンタクトできる」ことを目指し、配球データを念入りに研究しつつ、狙い球を絞って打率を上げてきた。

 初球から積極的にバットを振る小園に対し、泉口は相手投手の球筋を慎重に見定めて仕掛けていく。

 春先は打率3割台だったが、7月の月間打率は2割6分に落ち込んだ。ただ、体重を落とさないよう暑い時期でもトレーニングを続け、「栄養バランスの良い食事」を心がけた。8月は月間打率3割2分7厘と盛り返した。

 自身の成績については強く意識せず、「数字は最後についてくるもの。チームに貢献することだけを考えている」。

遊撃手で首位打者を獲得した選手

年   選手名  所 属  打 率

1954 レインズ  阪 急  .337

1956 豊田泰光  西 鉄  .325

2010 西岡 剛  ロッテ  .346

2016 坂本勇人  巨 人  .344

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