タレントの中居正広さんが起こした女性とのトラブルをめぐって、フジテレビのCMは「ACジャパン」に差し替え。一方で、俳優の吉沢亮さんの飲酒トラブルでは起用取りやめの動きが相次いだ中で、あえての「契約継続」を発表。生活用品大手のアイリスオーヤマ(仙台市)が、トラブル対応で全く異なる判断を出した。何が分かれ目だったのか。
吉沢さんの所属事務所によると、吉沢さんは昨年12月30日、酒に酔って自宅マンションの隣室に無断で入ってしまいトラブルになった。その後、隣室の住人とは示談が成立したというが、飲酒絡みの問題だっただけに、吉沢さんをCMに起用していた酒造会社は起用を取りやめた。その後は酒造以外の業種でも起用取りやめの動きが続き、2月に公開予定だった主演映画の公開延期も発表された。
吉沢さんは1月14日に「この度は私が起こしたあまりにも身勝手で非常識な行為により、多大なご迷惑をお掛けしましたことを、心よりおわび申し上げます」と、全面的に謝罪するコメントを発表した。
その同日、家電・食品の広告で以前から吉沢さんを起用してきたアイリスがHPで発表したのは「タレント契約継続決定のお知らせ」だった。「今回の契約継続は、吉沢亮さんの今後の挑戦を応援し、共に頑張っていきたいという当社の決意を示すもの」とまで踏み込んだ。
同社の広報担当者は、トラブル報道も吉沢さんの起用自粛の動きも「弊社も把握していた」とした上で、「弊社と吉沢さんの関係性という点で、今までブランド価値向上に貢献して頂いたというのが一番大きなポイントでした」と話す。
一方、動画撮影禁止で、「回答を差し控える」を繰り返した社長会見後に、CM差し止めの動きが広がったフジテレビ。アイリスもフジテレビでのCMを「ACジャパン」に差し替える方針を決めた。吉沢さんとは判断が割れた格好だが、同社広報は「一連の報道を受けて総合的に判断しました。番組提供スポンサーとして、コーポレートガバナンスの問題に対しては厳しく対応していきたいと考えています」としている。