勤務中に同僚の男性から無断で繰り返しスマートフォンで撮影されて精神的に不調になったとして、鳥取県倉吉市の40代の女性が、男性と会社に計約430万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、鳥取地裁倉吉支部であった。高木晶大裁判官は、社会生活上の受忍限度を超えた不法行為だとして、計約113万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2022年7～8月ごろの勤務中、男性にスマートフォンで繰り返し無断で撮影されていた。同年9月から精神的な不調によって休職を余儀なくされたという。
判決は、同僚から無断で勤務中の姿を撮影されることは「通常は想定も許容もしない」「一言断ることが常識的」とし、近距離からの繰り返しの撮影は「着衣で勤務する姿であったとしても受忍限度を超える」とした。配置換えなどの適切な配慮をするべきだったとして、会社の責任も認めた。
判決を受けて原告側の弁護士は「『気持ちが悪かった』という女性の感情を認めてくれた。勝手に何度も撮影してはだめ、きちんと同意を、ということだ」と話した。
会社側は取材に「判決文が届いていないのでコメントできない」とした。
