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力投する明徳義塾の池崎安侍朗

 少し調子が悪くても、追い上げられても、明徳義塾の左腕・池崎安侍朗(あんじろう)(2年)は動じない。マウンドで表情を変えず、テンポ良く投げ続ける。

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 身長は172センチと大きくなく、最速は140キロ。それでも相手に攻略されにくいのは、カーブ、スライダー、チェンジアップといった変化球の使い方がうまく、打者の打ち気をそらす投球ができるからだ。

 全国の大舞台でも実力を証明済み。今夏の全国選手権では、初戦を95球で完封するなど、2試合を1人で投げ抜いた。10月の国民スポーツ大会では、夏の甲子園を制した京都国際との準決勝が延長戦にもつれ込んだが、10回2失点で完投勝利を挙げた。

 甲子園春夏通算55勝の名将・馬淵史郎監督からは「火事場の馬鹿力がある。少々のことでは代えない」と、信頼を置かれる。

 体調が万全でなかった秋季四国大会の準決勝と決勝では、いずれも6四死球と制球が乱れ、らしくない投球だったが、試合中に体の開きを修正。粘って2試合連続完投で、チームに4年ぶり12回目の優勝をもたらした。

 全国には、池崎と同じように下級生の頃から主力として活躍してきた投手がいる。「いい投手は多いと思う。でも、(自分と)タイプは違うかな」

 目指すのは、点を取られない投手。「まだ無駄な四死球がある。それを、どこまで無くせるか」。クールな左腕は、この冬も自身と向き合い続ける。

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