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 かつて日本酒のコンテストで入賞が相次ぎ「吟醸王国」と呼ばれた静岡の日本酒。データ分析や情報共有で品質を高めて入賞を増やそうと、蔵元や静岡県が協力して「しずおか伝統型酵母研究会」を立ち上げた。海外コンテストの入賞を視野に品質向上と吟醸王国の復権をめざす。

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日本酒のコンテスト入賞数増を目指して静岡県と蔵元が研究会を立ち上げ、セミナーを開いた=県庁

 県庁で7日開かれた研究会の総会とセミナーで、会長に就任した杉井酒造(藤枝市)の杉井均乃介さんは「他県が非常に良い酒をつくるようになり、静岡吟醸の相対的優位性がなくなっていると感じている。この研究会は勉強できるいい機会になる」とあいさつした。

 この日は、今年5月に広島市であった酒類総合研究所の全国新酒鑑評会に出品された酒の製造データの分析などが報告された。酵母の研究や蔵元の技術支援をしている県沼津工業技術支援センターの担当者が、今年の鑑評会に出品された酒の成分と評価ポイントの関係について化学的な分析結果を解説し、製造過程で気をつける点などを説明した。また、今年金賞に入賞した磯自慢、初亀、志太泉の杜氏(とうじ)が自社での酒造りについて講演した。

 静岡の日本酒は「静岡酵母」…

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