食品メーカー・味の素が販売している冷凍宅配弁当の宣伝をめぐり、景品表示法で禁止されているステルスマーケティング(ステマ)にあたる表示の疑いがあることが、わかった。消費者庁から指摘を受けた会社側は、自主的に是正する計画を同庁に提出し、19日に認められた。
味の素は業務を提携しているイングリウッド社(東京)とともに、冷凍宅配弁当「あえて、」を販売。販売サイトに、この弁当の写真と弁当に関する感想が書かれた個人のインスタグラム投稿を転載していた。これらの投稿は、商品を無償提供するかわりに会社側が投稿を依頼したものだった。問題がある宣伝の表示期間は2024年5~8月。両社はそれぞれ自主的に是正計画を消費者庁に出した。
これとは別に、イングリウッド社が「三ツ星ファーム」として販売する冷凍宅配弁当でも、販売サイトにステマが疑われる表示があった。また、「プロの料理人がオススメする宅食ランキング No.1」などとしていたが、客観的な調査に基づくものではなく、景表法違反(優良誤認)の疑いがあると消費者庁に指摘された。ステマ表示の期間は23年10月から、優良誤認表示は21年6月から、ともに24年8月まで。イングリウッド社は、この件に関しても是正の計画を消費者庁に出した。
味の素は「適切な情報を提供できておらず、お客様へ心よりおわび申し上げます。真摯(しんし)に受け止め再発防止策の徹底に努めてまいります」とコメントした。
また、イングリウッド社は「計画内容を真摯(しんし)に実行し、さらなる表示管理体制の構築と従業員教育の徹底に努めたいと考えています」としている。
■ステマの疑い 是正のための…