「平和サミット」について声明を読み上げるウクライナのゼレンスキー大統領=2024年6月15日、スイス・ビュルゲンシュトック、藤原学思撮影
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 ロシアの全面侵攻を受けるウクライナの平和に向けて、スイスで開かれた「平和サミット」は、ウクライナの苦しい立場がにじむ会合になった。参加した100の国・国際機関による一致を目指した「共同声明」は、一部の国が同意を見送った。

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 「重要なことは、サミットの全ての参加者がウクライナの領土保全を支持したことだ。領土保全なくして、永続的な平和はありえない」。ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、閉幕の会見で強調したが、声明に同意しなかった国々を気にかけているようだった。

 サミットには57カ国の首脳を含む100の国・国際機関の代表が集った。ロシアと一定の関係を保つ中国は参加を見送ったが、新興国の枠組みBRICSからブラジル、インド、南アフリカなどが参加。国際社会の関心を引きつけたが、これまでウクライナがこだわり続けてきた10項目の「平和の公式」のうち、多くの国が同意できる3項目に焦点を当てざるを得なかった。

 しかも、インドや南アフリカ、サウジアラビアやインドネシアといった国々が最終的に声明に賛同しなかった。インドメディアによると、インド外務省幹部は声明について、ロシアが許容できなそうだ、との認識を語ったという。

 和平も遠いままだ…

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