Smiley face
写真・図版
「対話アプリ」のキャラクターを画面に示す生徒たち=2025年1月20日午後3時15分、兵庫県三田市、青木康行撮影
  • 写真・図版

 三田市教育委員会と大阪教育大などは、生成AIを活用した対話アプリ「MIRAIノート」を開発した。児童生徒の不登校は増加傾向で、悩みも多様化しており、「子どもたちが抱える思いを誰にも遠慮せず言葉にできれば」(市教委)と作られたという。市立ゆりのき台中学校では20日、生徒らがアプリ内のキャラクターと「対話」する様子が公開された。

 この日は2年4組と生徒会の計約40人が、教室で対話アプリを入れたタブレット端末を使った。困りごとの相談のほか、学校での出来事、興味のあること、自慢話といった話したいことを入力すると、画面内のキャラクターがしゃべっているような表情で、文章で答えてくれるという。

 「小中学生のころに学校に行きづらかった経験をもつアオト(20)」など八つのキャラクターがあり、それぞれの経験や立場から答えてくれる。話したいキャラクターを選べるほか、「今日の気分」を4段階で答えて「今日のふりかえり」を書き込むと、その内容をAIが判断してお薦めのキャラクターを選んでくれるという。

 男子生徒の一人は、「いつも笑顔で話してくれる大学生のお姉さんイロハ(19)」がお気に入り。「おすすめデートスポット」を尋ねると、「水族館、公園、映画館、テーマパーク」とすかさず返事が来て、「早っ」と感心していた。

 三田市教委によると、市教委が市内の小中学校で実施した生活アンケートでは、小学校高学年以上の学年で「困ったときに誰にも相談しない」という児童生徒が約1割いたという。

 この対話アプリは、同校2年とすずかけ台小5年、不登校の生徒ら計約350人が9日から22日まで試験利用している。今後はアンケートや利用状況のデータを集めて、3月までに効果を検証することにしている。

共有