第2次世界大戦末期に開発された旧海軍の戦闘機「紫電改(しでんかい)」が、愛媛県愛南町に展示されている。国内に現存する唯一の実機とされ、7月に「重要航空遺産」の認定を受けた。
県は老朽化した展示施設を建て替える予定で、機体の移設費用などを工面するためにクラウドファンディングに取り組んでいる。
紫電改は、対米開戦後、事実上の「ゼロ戦」後継機として約400機生産された。当時の日本の航空技術の粋を集め、海外でも「日本の最も優れた戦闘機の一つ」と評価されている。
愛南町に展示されている紫電改は、全長9.34メートル、幅11.99メートル。松山に展開していた海軍343航空隊に配備され、戦争末期の1945年7月24日、空中戦の末に久良湾に不時着水した。
78年に地元ダイバーが発見し、翌年、県が海底から引き揚げた。「恒久平和を願うシンボル」として、80年から宇和海展望タワーのある愛南町の馬瀬山山頂で展示されている。
「文化財的な価値がある」
重要航空遺産は、航空宇宙文…