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タイ警察のタッチャイ人身取引対策センター長に対して、警察庁の楠芳伸長官から感謝状が贈られた=2025年4月9日午後1時42分、東京都千代田区、板倉大地撮影

 タイ周辺の国が日本への特殊詐欺を行う犯罪グループの拠点となっている現状を受けて、警察庁とタイ警察双方の幹部が9日、国境を越えた詐欺への取り締まりについて協議し、連携を強化することを確認した。

 タイと隣接するミャンマーの国境付近にある犯罪拠点で外国人が詐欺に加担させられていたケースでは、日本側の要請を受けて、タイ当局が日本人を保護するケースが相次いだ。また、カンボジアやベトナムを拠点とした詐欺グループの幹部について、タイ当局がタイ・バンコクで拘束するなど両国間での捜査の協力が進められてきた。

 こうした状況を受け、警察庁の楠芳伸長官は、東京・霞が関の同庁を訪問したタイ警察のタッチャイ人身取引対策センター長に感謝状を贈り、「詐欺対策は国際社会共通の課題。これからも日本警察とタイ警察で連携して取り組みたい」と述べた。タッチャイ氏は「だまされる日本人が減るように、できる限りの協力をさせていただく」と応じた。

6割が20代以下 海外渡航の闇バイト

 警察庁によると、昨年10月18日~今年3月、海外での闇バイトに誘われた人の保護措置は19件。そのうち渡航先として提示された国は、カンボジアが4割、ミャンマーが1割だった。このほか、中国やベトナムなどがあった。

 実際に渡航した後に保護された人のほか、事前に警察に相談した人もいた。勧誘された人の9割が男性で、全体の6割を20代以下が占めたという。

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