砂原庸介・神戸大教授

 自民党・公明党が少数与党に転落したことで、国民民主党などが「第三極」として脚光を浴びています。しかし、政治学者の砂原庸介さんは、いまの日本政治で「第三極」といわれている政党は、本当の意味での「極」になっていないといいます。その背景を聞きました。

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 いまの日本政治で「第三極」に見えるものは、議院内閣制のどの国でも起こりうる、過半数を得た政党がない「ハングパーラメント」と呼ばれる状態です。小選挙区制であっても、2大政党に集約されるのは、非常に限定された条件でしか起きないのです。

 衆院で比較第4党の国民民主党が「第三極」とされますが、こういう政党が力をもつのは珍しくありません。議席数の関係と、政策的に自民党に近いのでピボタル(かなめ)政党になりやすい。その位置取りと、対立軸を作るような「極」は少し違う気がします。

 ピボタル政党は、ある意味で…

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