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ふげんの原子炉上部。制御棒を駆動する装置などがすでに撤去されている=2024年11月20日、福井県敦賀市、桜井林太郎撮影

 廃炉作業が進められている日本原子力研究開発機構の新型転換炉「ふげん」(電気出力16.5万キロワット、福井県敦賀市)で20日、原子炉建屋やタービン建屋の内部が5年ぶりに報道陣に公開された。担当者は「計画に沿って順調に進んでいる」としている。

 ふげんは、日本が国策として自主開発を進めた独自技術の原発。商用で一般的な原発(軽水炉)と異なり減速材に重水を使う特別な構造で、天然ウランも燃料に使える利点があった。

 すでに重水の回収や搬出は終えており、現在は、原子炉周辺設備の解体撤去が進められている。原子炉本体は、強い放射線を遮蔽(しゃへい)するために上部にプールを設置し、2030年度から解体作業が始まる予定。タービン建屋は原子炉建屋と貫通口でつながれ、解体された部品が山積みとなっていた。

 廃炉で生じる廃棄物の量は約36万トン。放射性廃棄物の量を減らすため、汚染金属などを除染し、特別な管理を必要としないクリアランス廃棄物にする取り組みに力を入れている。

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ふげんの解体設備から出た金属。除染され、約620トンが放射性物質として扱う必要がないクリアランス金属として原子炉建屋などから離れた倉庫に保管されていた=2024年11月20日、福井県敦賀市、桜井林太郎撮影

 研究開発の2段階目の「原型炉」であるふげんは1979年に本格運転を始め、核燃料サイクル政策の一環として、回収プルトニウムの本格利用などの成果を上げたが、後継の実証炉計画が頓挫し、03年に運転を終えた。40年度までの廃炉完了をめざしている。(桜井林太郎)

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