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 広島への原爆投下から80年を迎えた6日夕。広島市安芸区の「ひだまり保育園」の檀上由香園長(60)が平和記念公園を訪れ、亡き祖母や被爆死した人たちへの祈りを捧げた。保育園を開いて約20年。祖母の被爆体験を子どもたちに伝えてきた。「祖母は、自分が大事だと思うことに、自分の命を使った。尊敬する祖母の思いを引き継ぎたい」と話す。

 檀上さんの祖母は、ノーベル平和賞を昨年に受賞した日本被団協で女性初の代表委員を務めた故・伊藤サカエさんだ。

写真・図版
生前の伊藤サカエさん

 生前の手記などによれば、34歳だった1945年8月6日、「天皇は偉大で絶対だと教え込まれて、死ぬことを何ともおもわず」、広島市中心部の建物疎開作業に赴いて、被爆。背中に大やけどを負った。一緒にいた町内の人々は「全身焼けただれ、皮膚が下がっていた。面相が変わって誰か分からない」状況だった。

体験語らぬ祖母、原爆記録フィルムに「目をそらすな」

 戦後、戦争で亡くなった子ど…

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