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 成田空港(千葉県)近くの開発用地への投資商品「みんなで大家さん成田」について、信用調査会社・東京商工リサーチは、分配金の支払いが遅延すると発表した。投資商品の運営会社側が7月31日、出資者に通知したという。運営会社側は、「想定利回り7%」の分配金を支払うとして計約1580億円を集めたと、取材に説明している。

 この土地を巡っては、東京都千代田区の不動産会社「共生バンク」が開発許可を得て、「ゲートウェイ成田」と称してアリーナやホテルを造るという計画を発表している。土地への投資商品は、千代田区にある共生バンクの子会社「みんなで大家さん販売」(販売社)が売り、大阪市にあるグループ会社「都市綜研インベストファンド」(ファンド社)が運用している。

  • 投資商品「みんなで大家さん」で1580億円集めた開発に4年の遅れ
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投資商品「みんなで大家さん成田18号」の勧誘用パンフレットの表紙

 東京商工リサーチなどによると、支払い遅れは7月31日、ファンド社の柳瀬健一代表取締役名のメールで出資者に伝えられた。同日に支払い予定だった分配金から「支払いが一時的に遅延する」という内容。分配金遅延の発覚は初めて。

 ファンド社と販売社を巡っては、大阪府と東京都が24年6月、事業プラン変更に関する出資者への説明が不十分だったなどとして、不動産特定共同事業法に基づき、業務の一部停止(30日間)を求める行政処分を出した。ファンド社は遅延の理由にこの行政処分を挙げ、土地を貸し出している「テナント」から今年4月以降の賃料が支払われないとした。テナントは「グループ内での資本関係」がある事業法人という。

「早ければ8月に再開を目指す」

 共生バンクは取材に、「グループで保有する不動産での換金」や「大規模な資金調達」を進めていたが、「時間を要している」と説明。分配再開については「早ければ8月に再開を目指す」とした。

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千葉県成田市の土地開発をめぐる構図の一部

 メールを送った出資者の数や、支払いが遅れた分配金の額については「営業上の機微情報のため回答は控える」とした。また、今年11月としていた関連工事の完了時期を「しかるべきタイミングで変更を予定している」と明らかにした。変更すれば4度目となる。

工事の完了時期は「しかるべきタイミングで変更を予定」

 共生バンクなどは、「ゲート…

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