「子どもの権利は、なぜ私たちに適用されないのですか」と題したシンポジウムで話す稲葉奈々子さん(左)と、ミャンマー人のアウン・ミャッ・ウィンさん=2024年11月16日、東京都千代田区紀尾井町7、平山亜理撮影

 【東京】在留資格のない子どもたちの高等教育への進学について考えるシンポジウムが16日、上智大学四谷キャンパスで開かれた。「子どもの権利は、なぜ私たちに適用されないのですか」と題したもので、当事者が体験を語った。

 主催は、上智大学グローバル・コンサーン研究所。一般社団法人「反貧困ネットワーク」(新宿区)とNPO法人「移住者と連帯する全国ネットワーク」(移住連、台東区)が行っている仮放免の高校生への支援について報告があった。仮放免は、入管施設での収容を一時的に解かれた状態だ。親が働くのを禁じられているため、生活は困窮。進学を諦めたり、中退を余儀なくされたりする子どもも多い。支援活動では2022年から大学生らが進学や生活の相談にのり、月額1万円の奨学金を届けている。これまで41人を支援してきた。

 日本には、在留資格のない未成年の子どもは約300人(2019年法務省調べ)だが、日本生まれの212人には在留特別許可が与えられた。

 続いて、仮放免で専門学校や大学に進学した若者たちが体験を語った。

 看護師の学校で学ぶミラクルさん(仮名)は日本生まれだが、幼稚園の時から11年間仮放免だった。バスケが得意で、高校に上がる時に推薦の話もあったが、海外遠征に行けるかと聞かれ断ったという。仮放免は、都道府県をまたいで移動もアルバイトも出来ない。「首に鎖がついているように暮らすのがつらかった。大人の決めた制度で、子どもたちの未来を制限しないでほしい」と語った。(平山亜理)

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