「改革派」として知られた元愛知県犬山市長で、愛知県知事選や名古屋市長選にも挑んだ石田芳弘さん(79)=犬山市=が政治家人生を振り返る本を出した。「夢や希望を追うのが政治の本質」と、成功と挫折の経験を率直につづっている。
本は「ドン・キホーテin(イン)犬山 家族とふる里への手紙」(風媒社)。60代に書いていた原稿もあり、「公職人生の経験談を残しておこうと考えた」という。
石田さんは同志社大を卒業後、犬山市で家業の酒店を継いだが、市長選の選挙運動を手伝ったのをきっかけに政治の世界へ。1973年、自民党の重鎮、故江崎真澄衆院議員の私設秘書になった。都内や地元一宮市に複数の事務所を構え、常時10人ほどのスタッフがいた。こうした経費も「政治に金がかかる」理由の一つと振り返る。
10年の秘書生活を経て、愛知県議選で当選。3期務めた後、95年の犬山市長選で現職に圧勝した。市長時代は「教育改革」に力を注ぎ、小中学校の少人数授業導入や、全国学力テスト拒否の方針を打ち出して注目された。
連勝を続けた選挙で初めて落…