土日祝日に伊予鉄道(松山市)の市内線を走る観光用「坊っちゃん列車」に、伊藤園の「お~いお茶」のロゴ入り車両が3日から登場する。赤字運行が続く列車を支えたいとの申し出をきっかけに、初のラッピング広告が実現した。
ディーゼル車の坊っちゃん列車は、かつて運行していた小型SLを模して2001年に「復元運行」を始めた。車両のメンテナンスには年4千万~5千万円かかるが、地元の松山市も、列車の存続を望む市民の声が多いとして、2千万円を上限に費用の半額を支援する。
ラッピングの広告料について、両社は額を公表していない。伊藤園からの申し出を受けた伊予鉄道側は「筆文字のロゴは、レトロな車両に似合っている」と話す。
運行開始に先立つ2日には、道後温泉駅でラッピング列車のお披露目があり、両社の関係者や観光客が見守った。セレモニーに出席した伊予鉄道の河野智臣専務は「松山の観光資源として、持続的に運行を続けるためのご支援は大変心強い。坊っちゃん列車を長く走らせることができるよう、努力したい」と話した。